何者にもなれなかったが、自分の人生を大事に‼/40歳で何者にもなれなかった僕らはどう生きるか

「40歳で何者にもなれなかった僕らはどう生きるか」河合薫さん

です。

ビジネス書って、これから上を狙っていく人向け(主に若手向け)、とか、うまくいってる人向け(中堅・ベテラン・管理者向け)、そしてそろそろ区切りが近づいた方向けのものが多い印象です。読書量が足りて無く見つけられてないだけです。

この本は、うまくいかなかったがまだ会社人生が残ってる人向け、ということで、大変興味を持ちました。

私もそうだからです。

  • やりたいことがあって入社するも、風土・文化が合わず。自分なりに努力するも評価に結びつかず、同期ビリ争い。
  • 中堅層になって、幸運にもやりたいことの担当に。ただ社内での主力部署ではなく予算少なく遅々として進まない(ぜいたくな悩みかもしれません)。
  • ベテラン層になって、人員整理で全然関係ない事業・部署に異動。人脈・知識、すべて1からやり直し。
  • 同じ会社だが異動後の部署の方が出世スピードが速く、異動した時点で5年以上後輩の方が上司に。

結果、やりたくない仕事をやり、立場も弱く、もはやお金もらうだけに会社と家を往復している状態。

本書を読んで得た学び

  1. 「何者にもなれなかった」という感覚は正しい!
  2. 所詮、みなサラリーマン
  3. 40歳超えて、なにかが向こうから起きることはあり得ない。スキルを磨きチャンスを生み出そう。

1.「何者にもなれなかった」という感覚は正しい!

出世し「何者かになった」方々によって作られた組織・ルールが組織疲労を起こしていると著者。

会社には、新卒社員として同じような能力の人たちが集まります。組織を成長させるため、会社としては社員を競争させ、差をつけさせ、リーダーを生み出すというのは一つの解だと思います。これは組織の都合です。

一方、組織の出世競争を勝ち抜いて、抜き出てやろう、頑張ろうという方も当然多くいらっしゃると思います。その中で勝ち抜いた方は本当にすごいと思います。私も自分なりの努力を表に裏に行いましたが、かないませんでした。その経験からすれば(しなくても)、出世は誰もができることではないと思います。会社員側からすると、自分の意図にかかわらず競争に参加させられるわけですから、その意思がなくても気になってしまうことは事実です。出世できれば権限も与えられ、給料も上がる。同期より早くいければ、少しいい気分になるし、自慢したくもなるでしょう。

でも、出世競争から脱落した立場からの負け惜しみに聞こえると思いますが、それまでだなと思いました。

私も30代後半になったあたりから、若手や中堅のころに係長だった方、特定の分野・事業・製品・サービスを牛耳っていた課長さん・部長さん・統括マネージャーさんその他の管理職の方々が、毎年退場(定年退職)されていく様を目の当たりにしてきました。

あのときは、あんなに偉そうに我が物顔をしていたのに。「俺の目が黒いうちは」とか言ってたのに。いなくなれば関係ありません。どんなに偉くなろうが、どんなに社内で権力を持とうが、結局、製品やプロジェクト・成果はすべて会社のものであり、個人に帰属されることはありません。退場してしまえばただの人です。

なんと儚いことか。私はそう思いました。

かの方々は、おそらく大変な努力をされたのだと思います。昭和末期~平成初期に入社された皆さんのことです。まだ残業規制、セキュリティ規制が緩かった時代でもあり、夜はガンガンサービス残業して、家にも持ち帰って、休日にも出社して、仕事をしていた方がたくさんいらっしゃいます。そこまでやっても、退場してしまえばおしまいです。

ただ、結局は人それぞれかと思います。好きで仕事やってた人に何かを言うつもりは毛頭ありませんし、その立場にもありません。好きでやっていたのだから、「楽しかった」と自己満足できれば十分だと思います。結局は自分で満足できるかという話です。自分の人生であり、人生は一度きりです。

残念ながら、私はそうは思えなかった。若手の時に当時の課長の仕事ぶりを見て、ああ、あんなにやらないと出世できないのか、自分の時間が奪われていやだなという感覚を持ちました。その感覚は、20年以上経った今でもずっと変わりません。私は、そういう感覚の持ち主です。休日に個人携帯にガンガン電話をかけてくる感覚もわかりませんでしたし、深夜にかけてきて明日朝5時に会社にいろという留守電を入れていった当時の上司の考え方は、申し訳ないが未だに理解できません。

私は、仕事でやりたいことがあれば打ち込みたいけれど、家族との時間や自分の時間を大事にしたいという感覚があります。長時間の労働を要請されても何らかの理由をつけてやんわり断ってきました。最近では図太くなったので堂々と帰っています。完全にやりたいことや出世ルートから外れてますので、時間をかけず早く帰り、家族と過ごす時間を増やしたいです。

裏で何を言われているかわからないし、残業や休日出勤で時間をささげることで偉くなる会社において、それを実施しないことがどういう結果を招くか、だいたい見当もついています。でも、それでいです。自分がそれでいいと思った道を進みたいと思います。

2.所詮、みなサラリーマン

よく、一緒に仕事をする関連部署や協力会社についてグチっちゃう方いらっしゃいますよね。私も今まで幾度となくやってきました。

しかし、しばらく勤めていることで考えが変わりました。悪いのは、関連部署や協力会社ではないのですよ。仕事の区分け、担当分野を区切った先人たちの呪縛なんです。関連部署と言い争うというのは、その先人の手のひらの上で踊らされているだけなんです。そう考えると、関連部署の方といがみ合うことがとてもばかばかしく感じるようになりました。

あの部署のあのめんどくさい管理職のおじさんも、あのめんどくさい協力会社の担当者も、プライベートではみなとおなじように住宅ローンの返済や、子供の教育、自分のことで悩む、単なるサラリーマンです。自分のことで手一杯です。偉そうな部長さん、統括マネージャーさんも、一般社員と同じ補助もらって社員食堂で同じメニューの昼食食べるんです。別に高級仕出し弁当とか、街で高級ランチとか食べません。単なるサラリーマンです。どの立場でも、会社から言われれば異動に応じざる負えない、かわいそうな立場なんです。

そう考えると、いがみ合うのがばかばかしくなりました。

3.スキルを磨こう

何者かになることよりも、スキルを磨いていきましょうと著者。

私も40代の半ばを超えてきました。「定年後」という言葉が、脳裏をよぎることが増えてきました。「定年後はどうなるんだろう、ちび3人もいるのに」と。どんなに組織内で頑張ろうが、偉くなろうが、定年を迎えれば終わりです。いやいや勤めている会社ですが、定年してしまうと他に準備がなければ社会との大きなつながりの一つが失われてしまいます。

ということで、改めて、日ごろの仕事で得たことを簡単に書き溜める作業を再開しました。若手のころは上昇志向が高かったのでよくやってましたが、途中からやらなくなっていました。今回は目的が違います。今習得している自分ができることのうち、定年後も社会とつながっていけることは何だろうと思いながら書いています。この作業を充実させるために、今日も会社に行こうと思います。このモチベーションであれば、いやな会社もなんとか勤め続けられそうです。

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